毒性あり？アスベストの種類を一覧でレベル別や危険度別でまとめました

【全6種類】アスベストの種類と特徴まとめ

アスベストは、天然に産する鉱物の総称です。繊維状のアスベストは防火性や断熱性、化学的にも安定しているため、建築資材などに幅広く利用されてきました。

しかし近年、アスベストの吸引による健康被害が明らかになり、その使用が規制されるようになりました。

アスベストには6種類があり、それぞれ特徴が異なります。ここでは、その種類と特徴を一つひとつ解説します。

クリソタイルアスベスト (Chrysotile Asbestos)  

クリソタイルは、白色の繊維状の鉱物で、最もよく知られたアスベストの種類です。

強度が高く、耐熱性に優れ、柔らかいことから、建築材料や自動車のブレーキライニングなどに広く使用されてきました。

しかし、アスベスト曝露の90%がこのクリソタイルによるものと言われています。

アモサイト (Amosite)

アモサイトは、灰色または茶色の繊維状鉱物です。

熱伝導率が低く、耐酸性に優れているため、建築物の吹き付け材や保温材に使われてきました。

しかし、アモサイトの繊維は非常に細く、肺がんなどの発症リスクが高いことが分かっています。 

クロシジオライト (Crocidolite)  

クロシジオライトは、青色の繊維状鉱物です。

熱に強く化学的にも安定しているため、断熱材や防音材に利用されてきました。

しかし、クロシジオライトは発がん性が最も高いアスベストの一種とされ、早くから使用が規制されるようになりました。

アンソファイト (Anthophyllite)

アンソファイトは、灰色または緑色の繊維状鉱物です。

耐熱性や絶縁性に優れているものの、繊維が短く曲がりやすいため、あまり実用化されませんでした。しかし、発がん性はあると指摘されています。

ツェルノボルスキアイト (Tremolite)

ツェルノボルスキアイトは、白色または灰緑色の繊維状鉱物で、断熱材や耐火材料に使用されてきました。

アスベスト全体の使用量は少ないものの、発がん性は高いと考えられています。  

アクチノライト (Actinolite)

アクチノライトは、緑色の繊維状鉱物で、強度が高く耐熱性にも優れています。

しかし、実用化はされておらず、自然界に存在するアクチノライトの繊維を吸い込むことで、健康被害が生じる可能性があります。

アスベストの毒性とは？種類別に

アスベストの毒性、つまり人体に対する有害性は、その種類によって大きく異なります。ここでは、アスベストの主な種類ごとに、その毒性についてまとめます。

クリソタイル 

クリソタイルは、発がん性があると考えられています。クリソタイル曝露を受けた労働者に、肺がんや中皮腫の発症リスクが高くなることが分かっています。

しかし、その毒性はクロシドライトなどのアスベストよりは低いとされています。

アモサイト

アモサイトは、極めて発がん性が高い種類のアスベストです。細い繊維が肺の奥深くまで到達するため、アモサイト吸入による肺がん発症リスクは非常に高くなります。

アモサイト曝露と中皮腫発症との関連も指摘されています。

クロシドライト

クロシドライトは、もっとも毒性が強いアスベストの一種とされています。様々な種類のがんリスクを高める一方、中皮腫発症確率が群を抜いて高いことが分かっています。

クロシドライトはかつて広く利用されましたが、その毒性の強さから現在は使用が禁止されている国が多数あります。

ツェモロライト・アクチノライト・アンソファイライト 

これらの種類のアスベストも、一定の毒性があると考えられています。発がん性はそれほど高くはないものの、長期曝露を受けた場合には、肺がんや中皮腫の発症リスクが高まる可能性があります。

まとめ

このようにアスベストの毒性は種類によって大きく異なりますが、どの種類も長期曝露を避けることが重要だと言えます。

微細なアスベスト繊維を含む埃を吸い込むと、アスベスト関連疾患に罹患するリスクがあるためです。